過去ログ - 長谷川千雨「鳴護アリサ、って知ってるか?」
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662:ちさめンデュ ◆nkKJ/9pPTs[saga]
2013/09/05(木) 14:40:19.23 ID:uM8O51pN0
>>661

「魔法を忘れて麻帆良を追放。それでもマシかも知れない。
その力に責任を負えない人間にそれを扱う資格はありません」
「すいませんでした」
「………そんなに、私達が信用出来ませんでしたか………」

ぐっ、と、千雨は頭を下げたまま、
悲しげな声音を聞き鼻の奥から涙腺への刺激に耐える。
その間に、高音は気付いた様にスタスタと動きだしていた。

「!?」

千雨は、はっと顔を上げる。

「ち、ちょっと待ってくれ、村上は…」

止めに入ろうとした千雨が硬直する程の迫力で、
夏美の頬を張った高音は、右手で夏美の胸倉を掴み引っ張って行く。
途中、カードを使って廊下を塞ぐ扉を開き、その向こうのドアを開いて一室に入る。
そこは、がらんとした部屋だった。

「メイ、ちゃん?」

壁にはめ込まれた窓の向こうに、少々分かりにくいが佐倉愛衣の姿があった。
何が分かりにくいのかと言えば、
まず、何の飾りもない髪の毛が流れるがままになっているから。
佐倉愛衣と言う人間そのもの、それだけが、何の飾りもなくそのままふわりと空中に浮かんでいる。
眠ったまま仰向けに横たわった姿勢で空中に浮遊し、柔らかな光を浴びている。

「中程度の魔力失調です」

高音が言った。

「元々、ネギ先生や近衛さんがイレギュラーなのです、
あんなタンカーみたいな魔力タンクなど、まともな魔法使いの体質ではありません。
流石に、回復が出来なくなる程の無茶はしませんでしたが、
それでも、数値で言えばマイナスの位置に至っている。

これは、生身の身体を握り潰して魔力を絞り出した様なものです。
この程度なら早期に治癒すれば回復はしますが、放置すれば肉体にも障害が発生します。
一時的に限界を超えた酷使を行った事には違いない」

既に手を離した高音に告げられて、夏美の目は下を向く。


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