過去ログ - 長谷川千雨「鳴護アリサ、って知ってるか?」
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663:ちさめンデュ ◆nkKJ/9pPTs[saga]
2013/09/05(木) 14:45:26.87 ID:uM8O51pN0
>>662

「引き続き、科学的魔術的なCTスキャンを含め、
現状で可能な精密検査も継続して行っています。
只でさえ限界まで魔力を消費した後に、
緊急の生命維持と臓器の一部の他は外側の修復を最優先してしまった。

そんなもの、例え完璧でなくても、無事戻って来たらこちらの技術であればどうにでもなったものを、
あの大火傷の上に治癒と力の源である魔力を使い尽くしてしまった。
あのダメージと対処法では、臓器、脳細胞、霊体レベルで隠れた損傷が残っていないか、予断を許さない」

「大丈夫、なんですか?メイちゃんは…」
「現時点ではその意味での重大な危険因子は発見されていません」

そこまで言って、高音の両手がガッと夏美の胸倉を掴み上げた。

「職務放棄によって、鳴護アリサ誘拐事件に関する決定的な状況把握の機会を逸した。
本来存在が公表されていない魔法使いが、まして科学の学園都市において、
存在自体が政治性を帯びる目算レベル5の能力者との独断での戦闘行為。
しかも避難させるべき民間人を巻き込んだ。
目が覚めたら査問が待っている事でしょう」

「メイ、ちゃん…」

「例えそうなっても、愛衣は後悔しない、少なくともそれを見せようとはしない筈です。
いいですか、これはあの娘の判断、あなたに恩に着せるのは愛衣を侮辱する事です。
それでも、あの時あの娘が迷わずそうした理由、分からないとは言わせない。
心に留め置いて欲しいと、妹の矜持を踏みにじってでも、
この出来の悪い愚かなシスターは勝手に切に願います」

下を向く夏美を放し、高音は手を離し歩き出す。

「………この大事な時期に………何をこの様に愚かな事を………」
「………加減、に………」
「?」

高音に一瞥されて下を向いていた千雨が、理解出来ない声を聞いてそちらを見る。

「………いい、加減にしろよ、っつってんだよっ!!!」

そちらを見て、目の前で聞いても、千雨は何が起きているのか理解出来なかった。


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