過去ログ - 長谷川千雨「鳴護アリサ、って知ってるか?」
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676:ちさめンデュ ◆nkKJ/9pPTs[saga]
2013/09/07(土) 13:20:10.72 ID:CDbWUnR20
>>675

 ×     ×

「世界樹?」

千雨がふと見上げると、頭上に通称世界樹、ご神木蟠桃の枝が生い茂っている。
ここまでどう来たのか覚えていない。
恐らく、ふらふらと夜道を歩いていたのだろう。

「………う………あ………」

その絶叫は、世界樹の枝枝を揺らす様にも見えた。

「私はっ、私、私ぃ………あ………ああっ………ああああっ………
うあ、あ、うああ、うああああ………」

座り込んだ千雨は、ようやく気配に気付く。

「長瀬か」
「千雨殿」

楓が、千雨の前で片膝を突いた。

「本当の魔法はほんの少しの勇気。リスクがあるから勇気なんだ。
条理に反するから奇蹟、奇蹟には対価がある。
そいつにみんなを巻き込んじまった」

千雨は、両手を地についてうなだれていた。

「私、私っ、みんな、みんなを傷付けた、私のせいでみんな、みんなあんな………
恨み言も言わない、そんなみんなを私が、私が駄目だったせいだ。
分かってた、分からなかったのかよ私は、そんな、
ついこないだまで他人との付き合いもろくにしてこなかった。

何でそんな人間がリーダーなんてやってんだよ?いっぺん上手くいって、
それもちょっと端っこで噛んでたってだけで勘違いしてんじゃねーよ。
そんな、そんな馬鹿が馬鹿みたいな勘違いして、それで、それでみんな、
みんな傷付けて迷惑かけて、私、私は、私はああああっっっっっ!!!」

「だから、でござるよ」

縋り付いて来た千雨の背を撫でながら、楓が口を開く。


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