過去ログ - 長谷川千雨「鳴護アリサ、って知ってるか?」
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677:ちさめンデュ ◆nkKJ/9pPTs[saga]
2013/09/07(土) 13:23:26.95 ID:CDbWUnR20
>>676

「容易に近づかない程に、傷つく事の痛さ、人と関わる事の重さを知っている。
だからでござる。
獅子の強さを持たず、兎の様に臆病。だからこそ己の身を守る知略を持っている。
それでも、悩み抜いても危険を承知でも最後には関わる事を選ぶ。そうせざるにはいられない、
そんな優しく、熱い芯を持っている。それを皆見て来たでござる。

だから、皆千雨殿に自ら付いて来た。
自らが言う通り無力で頼りないリーダー、であればこそ、誰が強制されて付いて来るでござる?
それでも大事な人を助けようと言う千雨殿のために、
その想いを信じて手助けをする事が出来る、そう思うからこそ皆付いて来たでござる」

「…長瀬…」

しばし、泣きじゃくっていた千雨が、ゆっくりと楓から離れた。

「悪い」

渡された手拭いで顔を拭う。

「ん?」

千雨が携帯電話を取り出し、通話ボタンを押した。

「もしもし?綾瀬?何?いや、今夜は…」
「すぐに来て下さい、大至急ですっ!」

 ×     ×

長谷川千雨が訪れていたのは、
麻帆良大学工学部の中でもがらんとした大型実験室だった。
よく見ると、中心に大きな空間があって、数々の機材が其れを取り囲んでいる形だ。

「村上に…那波?」
「うん、ゆえちゃんがどうしても連れて来てくれって」

千雨の疑問に夏美が答える。

「申し訳ないです、那波さんもプランに関わって色々忙しい所を」

綾瀬夕映の言葉に、那波千鶴はにっこり笑って首を横に振る。
その夕映は、口調からして相当に焦燥していた。


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