過去ログ - 少女「雨が止んだなら」
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139:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2013/05/26(日) 07:04:09.58 ID:cYGd8PLko

 彼の肩からふっと力が抜けたのが分かった。
 そして、彼は息を深く吸い込んだ。

「お前がそんなんだから、俺がここにいるんだろうが!」

 怒鳴り声のあと、奇妙な静けさが書斎の中を支配した。
 わたしはその声の大きさにも驚いたけれど、それよりも何か変だと思った。
 
 どこかで聞いたことのある声だ。どこで? 
 いや、どこでもない。わたしにはこの屋敷以外の記憶はない。
 シラユキ以外の人と会ったことなんて、ない。
 
 でも、わたしは急にばかばかしくなった。沈黙を雨音が埋める。
 足音は聞こえないから、今の怒鳴り声はシラユキたちには聞こえなかったのだろう。




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