185:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2013/05/29(水) 06:57:18.32 ID:wqPpjqSYo
ツキはやがて思い直したように頭を振ると、頭痛でもするように額を抑えた。
「いや、平気なんだよな。平気じゃないと、困る」
一事が万事というわけではないが、ツキがこういった奇妙な態度をとることは珍しくなかった。
それでも、シラユキの言った通り、ツキがわたしたちに危害を加えることはなかった。
だからわたしは、尚更彼のことが分からなくなった。
最初は皮肉を言う元気もあったのに、時間が経つにつれて余裕がなくなっているように見えた。
何かを急いでいるようにも見えたし、何かに抗おうとしているようにも見えた。何かを恐れているようにも見えた。
でも、それがなんなのかは分からない。
最初は気に掛けていなかったものの、そんな様子をずっと見せられていると、こちらも不安になってくる。
それでも実害はなかったし、わたしやシラユキに何かを求めてくるわけでもなかった。
表面的には、よく散歩をする変わった住人が増えただけことだった。
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