218:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2013/05/31(金) 07:10:31.82 ID:R3N8s+H6o
「あなたはそこに居ていいんだよ。だってそこ以外にあなたに居場所なんてないから」
声はわたしの頭の中で直接響いていた。空気の振動を伴わない声。
意味が先立ち、音が追いかけるような声。
「もう決まったの。逃げられないの。あなたはそこにいるの。絶対に」
声はわたしに話しかける。
どこから? どこからだろう。内側からだ。
頭の奥が軋むように痛む。幻聴? 幻聴。
わたしはよろめきそうになったが、目の前に階段があることに気付き、バランスを取り直す。
視界がぐるぐるとまわっている。混乱している自分と、それを冷静に眺めている自分がいる気がした。
夢が現実になったのか? あるいは、現実が夢になったのか?
何が起こった? どこかに変なスイッチでもあったか?
わたしの身に何が起こったんだろう。何が起こっているんだろう。
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