223:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2013/05/31(金) 07:15:30.67 ID:R3N8s+H6o
すっかりと混乱した様子のツキに対して、シラユキは落ち着いた口調で答えた。
「わたしにもわかりません。どうにかしたいとは思いますけど、でも、わたしにはどうすることもできない。
それはもう、わたしたちがどうこうできる次元にはないんです。
彼女の問題なんです。彼女だけの問題なんです。わたしたちにできることなんて何もない」
ツキはしばらく押し黙った。シラユキも、すぐには答えない。
雨の音。雨は降り続いている。何も変わることはないと言っているようだ。
その雨音に安堵したのか、それとも悲しいのか、自分の気持ちが分からない。
「シラユキ、俺がここに来たのは、間違いだったと思うか? 無駄なことだったと思うか?」
「そんなこと……」
シラユキはそれ以上何も言わなかった。
ふたりがどんな表情をしているのか、わたしには見えない。
でも、きっと悲しそうな顔をしているんだろう。そう思った。
そして、きっと、その表情の原因はわたしなのだろう、と、漠然と感じた。
なぜかは、分からないけれど。
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