256:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2013/06/02(日) 07:47:44.92 ID:lXtenV6yo
◇
そろそろ戻ろう、とツキは言った。わたしは彼に先に戻ってもらい、森の中に残った。
考えたいことが、たくさんあった。でも、何から考えればいいのか分からない。
傘をさして森の中に立っていると、ひどく透き通った気持ちになる。
このまま透明になれそうな気分。あるいは、森の木々のひとつにでもなれそうな。
しばらくそこでじっとしていた。
曇り空が優しく見える。どうしてわたしはこんなふうになってしまったんだろう。
しばらく経ったあと、遠くの方で誰かの声が聞こえた気がした。
その声に何か嫌なものを感じたわたしは、森の中をもう少し歩いてから屋敷に戻ることにした。
それだけだった。別になんていうことはない朝だった。
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