255:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2013/06/02(日) 07:46:57.76 ID:lXtenV6yo
ひとつ言えるのは、とツキは続けた。
「お前がどちらを選ぶにせよ、俺は戻るってことだ。それだけは変わらない。
俺は生きていくよ。でも、お前の選択によってはとても悲しい思いをすると思う。
せいぜいそれだけだよ。だから、気楽に選べよ。たかだか何人かの人間が悲しむだけだ。それだけだよ」
ツキの声には、感情を押し殺すような響きがあった。
「たかだか、悲しいだけだよ。それだって、別にお前のせいってわけでもない。
ただ、そういう結果を生み出さざるを得なかった状況が憎いだけだ。
そういう状況を生み出すのに加担した自分が憎いだけだ。
自分が何もしなかったことに腹が立つだけだ。そしてお前には、そんな俺を好きに罵る権利があると思う」
雨音の中で、彼の声はいやにはっきりと耳に届いた。
「だから、好きにしろよ」
ツキはそう言った。それ以上は何も言ってくれなかった。
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