301:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2013/06/05(水) 05:43:05.47 ID:YX4Y62yro
「――シラユキという猫も、あなたにとっては石ころでしたか?」
「……どうだったかな」
いいかげん話を終わらせてしまいたいなとわたしは思った。
そうじゃないと……。
「ツキは、どうですか? 何の価値もない相手でしたか?」
……ああ、そうだ。思い出した。
ツキだ。
雨の日が好きだった理由。
外で遊ぶのが好きだった彼は、晴れた日には、わたしを置き去りにして他の誰かと外に遊びにいった。
でも、雨の日は、退屈そうにしながらも、一日中だって一緒にいてくれた。
だからわたしは雨が好きだった。
ツキの、少し物憂げな横顔を眺めながら、シラユキの背中を撫でるのが好きだった。
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