329:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2013/06/07(金) 06:03:21.01 ID:UQU3TNtlo
念のため進んで確認してみると、一番奥まったところの天井に取っ手があった。
ためしに叩いてみる。音が軽かったりはしなかった。
取っ手を引いてみたが、ダメだった。今度は押すのだろう。
天井が低かったので、押し上げるのはさして難しくはない。
押し上げると、ぎしぎしという音がした。何かが引っかかっているような感覚。
構わずに押していくと、やがて抵抗がすっとなくなり、何かが倒れるような音がした。
わたしは少し不安になってその場で息をひそめた。
数秒待っても何かが動くような気配はなかった。扉の向こうに顔を出す。
本棚が並んでいるのが見えた。確認してみると、扉に引っかかっていたのは、椅子だったらしい。
書庫だ。書庫に繋がっていると、そういえばツキも言っていた。
屋敷から出るどころか、屋敷から離れてさえいないことに気付かされて、わたしはショックを受けた。
でも、そうなのだろう。実際、その程度しかまだ歩いていないのだ。
もうやめてしまいたかったけれど、そういうわけにもいかない。
一度屋敷に戻って何か使えそうなものを持ってくるべきだろうか?
でも、そうこうしているうちに動きがあるかもしれない。わたしは急いでいるのだ。
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