328:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2013/06/07(金) 06:02:02.92 ID:UQU3TNtlo
気を取り直して、行き止まりの壁の一部を照らしてみると、鉄製の取っ手のようなものがあった。
わたしは少し躊躇したけれど、結局それを掴んだ。
ざらついた埃の感触が嫌で、わたしはまた泣きたくなった。
世界には、嫌なものが多すぎる。
押してみてもだめだったので、とりあえず引いてみた。それはドアのように簡単に開いた。
石でできているように見えたのは、見せかけだけだったらしく、いやに軽い。
ためしに壁を叩いてみると、こんこんと軽い音が鳴った。素材が分からないのも、それはそれで不気味だった。
扉の先には石造りの綺麗な階段があった。
天井が低いので、身を屈めて昇るしかない。
ここを進むべきだろうか。
少し迷ったけれど、結局昇ってみる以外に術はなかった。
階段はたいした高さではなかった。少し昇ると平坦な狭い道に出る。
さらに奥に行くと、今度は深い下り階段があった。階段の一番下は行き止まりになっている。
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