381:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2013/06/10(月) 05:57:22.45 ID:eaBLS+OVo
どちらにしても同じことだ。わたしは灯りを失ったのだ。
そう思うと絶望的な気持ちが襲ってきた。わたしにはもうどうすることもできない。
もう一度梯子を昇って、森の中を通って屋敷に帰れるだろうか。
わたしは左手の手首をゆっくりと動かしてみる。
這い蹲って懐中電灯を探している間に、手首の痛みは増していた。
ズキズキと痛み、手のひらに上手く力が入らない。
それ以外のところだって、完全に無傷というわけではなかった。
濡れた梯子を昇るには、ちょっと心もとない。
空が、さっきまでよりずっと遠く、光が、さっきまでよりずっと弱々しく思える。
わたしはたまらなく怖くなった。
足元から恐怖が這い上がってくるのを感じる。
「ツキ!」
思わず、地上に向けてそう叫ぶ。
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