過去ログ - 少女「雨が止んだなら」
1- 20
381:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2013/06/10(月) 05:57:22.45 ID:eaBLS+OVo

 どちらにしても同じことだ。わたしは灯りを失ったのだ。
 そう思うと絶望的な気持ちが襲ってきた。わたしにはもうどうすることもできない。

 もう一度梯子を昇って、森の中を通って屋敷に帰れるだろうか。
 わたしは左手の手首をゆっくりと動かしてみる。

 這い蹲って懐中電灯を探している間に、手首の痛みは増していた。
 ズキズキと痛み、手のひらに上手く力が入らない。
 それ以外のところだって、完全に無傷というわけではなかった。

 濡れた梯子を昇るには、ちょっと心もとない。
 空が、さっきまでよりずっと遠く、光が、さっきまでよりずっと弱々しく思える。

 わたしはたまらなく怖くなった。
 足元から恐怖が這い上がってくるのを感じる。
 
「ツキ!」

 思わず、地上に向けてそう叫ぶ。




<<前のレス[*]次のレス[#]>>
633Res/436.26 KB
↑[8] 前[4] 次[6] 板[3] 1-[1] l20
このスレッドは過去ログ倉庫に格納されています。
もう書き込みできません。




VIPサービス増築中!
携帯うpろだ|隙間うpろだ
Powered By VIPservice