4:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2013/05/18(土) 07:54:17.83 ID:0FhXK3hqo
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厨房の扉を開けると、シラユキの姿が見えた。
彼女はちょうど、作っていたスープを小皿に分けて味見をしているところだ。
変なことに、真っ先に目に留まったのは、彼女の長い睫毛だった。
東の窓から注ぐ太陽の日差しに、それは微かに透けて見えた。
白い肌は氷細工のようで、不用意に触れたら火傷させてしまいそうな気すらする。
髪の毛は細くて、薄いクリーム色をしている。まんまるの瞳は透き通るような鳶色。
黒いワンピースに重ねられたフリルの白いエプロン。それに合わせられたカチューシャ。
たしかに彼女の宣言通り、その装いはメイドのように見えた。
彼女の姿はとても印象的なのに、その輪郭はどことなくぼんやりしている。
色素が薄いせいだろうか。向こうの景色が透けているように感じることもある。
もちろん、ただの錯覚なのだろうけれど。
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