過去ログ - 少女「雨が止んだなら」
1- 20
421:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2013/06/13(木) 06:55:13.17 ID:gz5u5IpNo



「ツキは石ころじゃない」

 とわたしは言った。そう言った瞬間、前後の記憶がひどく曖昧なことに気付く。
 なぜわたしは、不意にそんなことを口にしたんだろう。

 それから、世界に光があることを、ふと意識する。
 それまでと変わらず、赤みがかった頼りない灯りだ。

 その光は大きな影をも作り出していた。
 それがあることで、よりいっそう影を際立たせてしまうような光。

 でも、何はともあれ、それが光であるのは確かだ。
 光がある以上は、まったくの暗闇というわけではない。
 影は闇ではなく、光のひとつの性質であり一面だ。

 机の上の燭台。そこに刺さった蝋燭。その先の炎。
 あの部屋の中に、わたしはいる。
 そうやって、視界の中の情報を連結させていく。



<<前のレス[*]次のレス[#]>>
633Res/436.26 KB
↑[8] 前[4] 次[6] 板[3] 1-[1] l20
このスレッドは過去ログ倉庫に格納されています。
もう書き込みできません。




VIPサービス増築中!
携帯うpろだ|隙間うpろだ
Powered By VIPservice