過去ログ - 少女「雨が止んだなら」
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442:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2013/06/14(金) 06:38:37.55 ID:DzmBzCz9o

 だとすれば、この拳銃はどのような意味を持つのだろう。
 
 わたしは一度、ツキにこれを向けかけた。そして今、もう一度引き出しから持ち出した。
 シラユキは息を呑む。それからひどく戸惑ったような顔をした。

「威嚇くらいには、なるといいんだけど」

 なるはずだ、と思う。
 下界の街では、今いる人間は死なず、今いない人間は生まれない。シラユキがそう言った。
 でも、それはまだ確定していない。つまり、死にうるし、生まれうる、ということだ。
 
 変化を恐れるというのなら、街の人々は自分たちの死を何よりも恐れるはず。
 だとすれば、有効ではないとは思えない。

「使うんですか?」

「使えるものは、なんでも使わないとね」

 とわたしは答えた。それからシラユキの目を見る。

「ツキを死なせるわけにはいかない」




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