443:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2013/06/14(金) 06:39:31.42 ID:DzmBzCz9o
どうして、と。
シラユキの唇が、そういう形に動いた気がした。
「なに?」
わたしが訊ねると、シラユキはつらそうな顔をした。
「どうして、ツキを助けたいんですか?」
どうして、だろう。
わたしはなぜ、ツキに対してだけ、こんな暴走とも言えるほどの感情の高ぶりを覚えるのだろう。
「シラユキは、ツキが死んでもかまわないって思う?」
彼女の瞳が、一瞬、強く揺れた。
「――そんなわけないじゃないですか!」
シラユキの怒鳴り声を、わたしは初めて聞いた気がした。
彼女は大声を出したことを後悔したように視線をあちこちに彷徨わせた。
悔しそうな表情でうつむくと、瞳からぽろぽろと涙がこぼれだす。
そうだろうな、とわたしは思った。シラユキはそう言うだろう。
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