459:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2013/06/15(土) 06:59:17.17 ID:x3h76RAXo
背の高い石造りの建物が通りの両側を囲んでいた。
わたしはなんだか奇妙な気分になってくる。
わたしも、シラユキも傘をさして歩いていた。
レインコートは目立つから、と彼女は言ったけれど、この人気のない街中で、目立つも何もあるだろうか。
そもそも、彼女が懸念していた見つかるかもしれないという可能性だって、今のところ気配すらない。
「人の姿がないのは、きっと皆、広場に集まっているからでしょう」
わたしの疑念を見透かしたように、シラユキは落ち着いた声で言った。
「はっきり言っておきますけど、今のままでは、あなたがツキを助けるのは、不可能です」
彼女はそんなふうに続ける。わたしには、彼女の発言の意味がうまくつかめなかった。
「……なぜ?」
彼女は答えなかった。
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