471:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2013/06/15(土) 07:11:43.72 ID:x3h76RAXo
「でもわたしは、彼を助けたいの」
「"助けたい"?」
と村長は繰り返す。ざわめきが波紋のように大きくなる。
人々の声が波立つ。雨の音がかき消そうなほどだ。
わたしは不安と緊張に、気が遠くなりそうだった。
「助けたいとは、どういうことです?」
わたしは何も言えなかった。
「それはひょっとして、この男を生かしたいということですか?
バランスを崩しても、かまわないと? あなたはそう言うのですか?」
呼吸がうまくできなかった。なんだかひどい重圧を感じる。
視線が圧力になって、わたしを押しつぶしているような気がした。
わたしはこんな気持ちを経験したことがある。
わたしが走る姿をみんなは笑おうとしているのだ。
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