過去ログ - 少女「雨が止んだなら」
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484:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2013/06/16(日) 07:37:15.80 ID:2Yrmim71o

「どうしてわたしが、ツキを殺さなきゃいけないの?」

 まずいと思ったけれど、そう言わずにはいられなかった。
 檀上に集う視線。わたしを見張る何人かの人々。手に握った拳銃。
 傘をさしたままのシラユキ。何もかもが、わたしを無視して動いている。

 人々はわたしに何も言わなかった。
 何かが致命的に狂ってしまっている気がした。

「ツキ、あなたはここを去って、生きるべきだと思う」

 わたしがそう言うと、彼は皮肉っぽく唇を歪めた。
 傍に立っていて、わたしの言葉が聞こえたはずなのに、村長も、誰も、何も言わなかった。
 まるで、わたしの言葉は口先だけだと言っているみたいだ。

「お前はどうするんだ?」

「……わたしのことは、そのあとで考える」

「駄目だね」
 
 とツキは言った。




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