485:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2013/06/16(日) 07:39:20.53 ID:2Yrmim71o
「それじゃあ順番が逆だ。お前は選ばなくちゃいけないんだよ。俺を殺すか、俺を殺さないか」
「どうして?」
「順番だよ。順番が決まってるんだ」
「順番?」
「そう。お前が死ねば、俺も死ぬ。お前が生き延びれば、俺も生き延びる。
より正確に言えば、お前が死んだからこそ俺が死に、お前が生き延びるからこそ俺も生き延びる。逆はない」
「どうして、そんなことに?」
「自分の胸に聞けよ」
彼は無感情に言った。
一瞬、雨に打たれるツキの姿が、視界の中でぼやけた気がした。
ぼやけたツキの輪郭は、雨の飛沫に紛れながら、ひそかに線を揺らがせる。
錯覚だろう。ツキの姿が、わたし自身のように見えた。
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