489:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2013/06/16(日) 07:43:51.29 ID:2Yrmim71o
わたしは溜め息をついた。
そして、どうしてこんな馬鹿らしい会話を続けているんだろう、と不意に考えた。
もういいじゃないか、とわたしは思う。こんな押し問答を続けて何になるのだ?
もう理屈なんて知ったことか、とわたしは思った。
「ツキ、もういい」
「……何が?」
「あなたの意思は、もう関係ない。わたしはとにかく、あなたを現実に帰らせる」
「無理だよ」
「無理じゃない。順番だかなんだか知らないけど、わたしがそんなものに付き合う理由がない」
不意に、辺りがざわめき始めるのを感じた。いまさらだ、とわたしは思った。
「つまり、俺に選択の余地はないのか?」
「わたしはあなたを殺さない」
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