過去ログ - 少女「雨が止んだなら」
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500:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2013/06/17(月) 07:03:45.82 ID:IMrWsM59o

 彼は表情を歪めたけれど、わたしにはもう、その表情が何を意味するのかも分からなかった。
 どんな感情なのかも、分からない。

 雨の雫が彼を打ち続ける。
 わたしにはどうしようもない。

 彼はそれでも、出口も分からないまま、歩き続ける。 

 丘の上へと、彼は足を動かす。でも、その先に何があるというんだろう。

「ツキ、離して」

 彼は返事をしなかった。

「わたしはシラユキのところに行く」

 それでも彼は離さない。
 わたしは泣きたくなってきた。

 なぜわたしたちがこんな話をしなければならないんだろう。
 ……それはきっと、わたしのせいなのだ。




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