過去ログ - 少女「雨が止んだなら」
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499:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2013/06/17(月) 07:03:09.54 ID:IMrWsM59o

「なんだよ、それ……」

 悲しげな声だった。でも、それだってそう聞こえるだけのことだ。

 彼はわたしの腕を引き、強引に歩き始めた。
 抵抗しようとしても、彼は離してくれない。
 わたしは振り払おうとするのをやめた。どうせ彼には、どこにも行きようがないのだ。
 
 彼は出口を知らない。わたしは出口に向かうつもりがない。

「シラユキは死んだんだよ、アヤメ。生き返ったりしない」

「この世界には、シラユキがいる」

「現実にはいない。土の下だ」

「だったら、現実なんていらない」
 
 とわたしは言った。

「わたしはここに残る」




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