過去ログ - 少女「雨が止んだなら」
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514:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2013/06/19(水) 07:52:07.20 ID:mRUgB+/xo



 黙り込んでいると、ツキは街の方を振り向いて、焦ったような顔になった。
 振り返ると、街の人々が何人か連れ立ってこちらに向かってきているようだ。

 まだ遠いけれど、ここまで追ってくるのにそう時間はかからないだろう。

 彼らが手に持っているのは鎌や熊手のような農具ばかりだった。
 街に武器はないのだとわたしは思った。
 
 本来この街に外敵はいないのだろう。

「急ぐぞ」

 ツキはそう言って、またわたしの腕を引いた。わたしは抵抗しなかった。
 その抵抗のなさを不審に思ったのだろうか。

 彼はわたしの方を振り向いた。
 
「どうした?」

 どうしたんだろう。自分でもよく分からない。




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