514:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2013/06/19(水) 07:52:07.20 ID:mRUgB+/xo
◇
黙り込んでいると、ツキは街の方を振り向いて、焦ったような顔になった。
振り返ると、街の人々が何人か連れ立ってこちらに向かってきているようだ。
まだ遠いけれど、ここまで追ってくるのにそう時間はかからないだろう。
彼らが手に持っているのは鎌や熊手のような農具ばかりだった。
街に武器はないのだとわたしは思った。
本来この街に外敵はいないのだろう。
「急ぐぞ」
ツキはそう言って、またわたしの腕を引いた。わたしは抵抗しなかった。
その抵抗のなさを不審に思ったのだろうか。
彼はわたしの方を振り向いた。
「どうした?」
どうしたんだろう。自分でもよく分からない。
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