533:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2013/06/20(木) 03:08:11.99 ID:WU9ARoQ2o
わたしは、ツキがこんな場所までやってくるとは思っていなかった。
シラユキが死んだときだって、彼は確かに悲しんでいたけれど、ちゃんと起こったことを受け入れていた。
だからわたしが死んだところで、最初は少し悲しかったとしても、少し怒ったとしても、すぐに慣れてしまうだろうと思った。
わたしのいない世界に、すぐに溶け込んでいくのだろうと、勝手に思っていた。
「……どうして、こんなところまで来たの?」
ふたたび猫を追いかけ始めた彼の背中に、わたしは気付けばそう投げかけていた。
彼は呆れたように溜め息をついて、仕方なさそうに笑う。
「その質問の答えは、もう言った」
それから彼はもう一度わたしの腕を掴んだ。
わたしはなんだかすごく混乱していた。
さっきまでしていた会話の内容の実感が、遅れてやってくる。
怖さとか、疑念とか、後ろめたさとか、そういうものと一緒に、気恥ずかしさみたいなものまで。
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