過去ログ - 少女「雨が止んだなら」
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534:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2013/06/20(木) 03:08:42.17 ID:WU9ARoQ2o

「嘘だよ、そんなの」

 混乱した頭のまま、わたしは言った。

「何が?」

「だってわたしは、ツキに何もしてない。嫌われる心当たりはあっても、好かれる覚えなんてない」

「……ああ、いや。そのことか」

 彼はまた困った顔をした。それから少し、呆れたみたいだった。

「好かれる覚えはないって、すごい言い草だな」
 
 彼は自分で言った言葉に少しだけ笑った。

「ツキが苦しい思いをしてるのだって、わたしのせいでしょ?
 嫌にならないの? わたしのせいだってなじらないの? なんでそんなふうに、笑っていられるの?」

 大真面目に訊ねたつもりだった。

「……惚れた弱みかなあ」

「からかわないで」

「からかってるつもりはない」




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