過去ログ - 少女「雨が止んだなら」
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551:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2013/06/21(金) 02:47:26.03 ID:gFrmtBDeo

「……わたしが知っているシラユキは、あなただけど。でも、それなら、あなたは誰なの?」

「それについても、シラユキ、と言うほかありません」

「待って。何が言いたいのか、よく分からないんだけど」

「わたしはあなたがこの世界に逃げ込もうとしていることに気付き、その邪魔立てをするためにここに来たんです。
 その際、あなたが“シラユキ”という名前の住人を作り出そうとしていることに気付いた。
 ですから、その人物の人格として、わたしは紛れ込んだんです。そして、この世界に隙間を作った。
 その隙間が出口であり、ツキがこの世界にやってくるときに通った入り口でもある」

 彼女の言葉に、実感を伴った感想を抱くことができなかった。
 ただなんとなく、言葉として聞き流すことしかできない。

「本来ならこの世界は、作り上げられた段階で完成していたんです。
“保険”なんて、最初はありませんでした。わたしはそこに紛れ込むことで、結論を一度保留させたんです。
 そして、あなたが選択するための猶予期間を強引に作り出した。
 つまり……猶予なんて最初はなかったんです。ツキがこの世界にやってくるだけの隙間も。 
 わたしは、あなたが結論を変えてくれるようにと、ずっと働きかけていたんです。その猶予期間を、ずっと引き延ばしていたんです」




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