過去ログ - 少女「雨が止んだなら」
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556:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2013/06/22(土) 03:56:12.56 ID:CnjYFZl7o

 とにかく、問題は……わたしがどうするか、という一点に尽きる。
 
「ねえ、シラユキ。わたしはどうすればいいんだろう?」

 そう訊ねてみた。彼女は悲しげに首を振るばかりだった。
 それはそうなのだろう。心細いような気持ちが、雨の中でふくらんでいく。

 傍に誰もいないような気さえした。

 わたしの表情が曇ったことに気付いてか、シラユキは再び口を開いた。

「……とても一方的な話になりますけど」

 雨に濡れて、彼女の髪は静かにきらめいて見えた。

「この世界に猶予を生んだのがわたしだということは、あなたを戸惑わせているのも、わたしということです。
 わたしは、あなたがした決断を保留にさせ、あなたを迷わせるために行動してきたんです。
 ですから、どうすればいいかと聞かれれば、わたしの答えはひとつしかありません」

 そうなんだろうな、とわたしは思った。 
 何かを考えるべきなんだろう。でも、何を考えればいいのか、分からない。




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