過去ログ - 少女「雨が止んだなら」
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571:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2013/06/23(日) 03:22:47.46 ID:seth9kfao

 わたしを外から守り続けたあの屋敷。雨の降り続ける森。
 もう、わたしとは関係のない場所だ。

 現実に帰るにしても、帰らないにしても、わたしはもう二度とそこにはいかないだろう。
 いずれにせよ、わたしはもうこの世界を去るのだ。

 わたしは、それでもしばらくの間、入り口から少し過ぎたあたりで立ち止まっていた。 

 ただ、なんとなく、そうしたかっただけのことだ。

 もう一度前を向いたとき、シラユキが心配そうにこちらを見ていた。
 彼女は彼女なりによくやったのだと言える。
 
 目論見はすべて、うまく行った。この世界の存在意義を破壊したし、わたしに選択も迫った。
 そしてツキの死に抵抗しようとするわたしを発見し、今はわたしを出口に向かわせてすらいる。

 でも、彼女は上手くいったなんて思っていないだろう。 



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