過去ログ - 少女「雨が止んだなら」
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593:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2013/06/24(月) 03:59:59.59 ID:k0zfLIWso

 雨の音と風の声が絶えず響いている。

 わたしは少しの間、何も考えずにその音に耳をすませていた。本当に何も考えなかった。

「うん」

 わたしはシラユキに、そう答えた。
 
 彼女は、向こう側にはきっといない。
 だから、彼女がわたしを好きだったとしても、もうそれは何の役にも立たないし、理由にもならない。
 
 それは妄想のようなものだ。
 この世界がすべて、わたしに都合の良いだけの妄想なのかもしれない。

 シラユキも、ツキも、ぜんぶがぜんぶ嘘なのかもしれない。
 わたしのことなんて、誰も好きじゃないかもしれない。

 現実感が薄いのだ。
 きっとわたしの五感はもう正常じゃない。そして、正常さを求めてもいない。




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