過去ログ - 少女「雨が止んだなら」
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60:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2013/05/21(火) 07:29:14.99 ID:0/iJLpbGo

 物音のした棚と棚の間を覗き込む。誰もいない。
 
 けれど、本が一冊、床に落ちていた。
 わたしは少し怖くなったけれど、さっき自分が歩いた棚だったので、そのとき何かの拍子に落ちたのかもしれないと思った。
 ちょうど夢に関する本の一冊は、ここからとったものだ。今手元にあるうちの一冊がそれだった。

 わたしは溜め息をついてから本に近付いた。
 気にしすぎているのだ。単なる神経質。そうだろう。

 わたしは一度、持っていた本を棚の元の位置に戻す。それから床に落ちていた本を拾い上げた。
 心臓が凍るようだった。

 それはわたしが、自分の部屋に持っていったはずの本だった。
 そして、自分の部屋からなくなっていたはずの本だった。




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