過去ログ - 少女「雨が止んだなら」
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615:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2013/06/25(火) 07:28:18.15 ID:tPA7g4lio



 当たり前のことだけど、わたしはいろんな人に叱られた。
 ツキもいろんな人に叱られていた。ちょっと悪いことをしたかな、と思う。
 たぶん、ちょっとどころの話ではないんだろうけど。

 何はともあれ、わたしは生きていた。

 ツキから聞いた話によると、彼はあの水流の中からわたしを救い出したわけではないらしい。
 わたしの身体がたまたま流れから外れた場所に引っかかっていたのを見つけて引き上げただけだという。

 まあ、考えてみれば、彼が泳いでわたしを引き上げたというのなら、それはそれで驚きだ。
 あの流れの強さでは、泳ぐどころが方向を保つことさえ困難だったろう。

 その「引っかかった」際にわたしは擦り傷や打撲を負うことになった。
 これが意外なほどの軽傷で、なんということのないものばかりだった。
 しばらくは、痛むかもしれないけれど。

 でも、それ以外には外傷も何もないらしい。
 たぶんわたしがあの濁流の中にいたのはとても短い時間だったのだろう。
 と、思うのだけれど……根拠はない。

 とはいえ、それならそれで、長い時間意識を失っていて、危険な状態にあったというのは、不思議な話という気がする。
 そのあたりのことは、どうもよく分からない。




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