過去ログ - 少女「雨が止んだなら」
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84:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2013/05/23(木) 08:15:44.48 ID:eYA5xb04o



 屋敷中見て回っても、結局何も見つからなかった。

 わたしはどうしても一人になりたくて、掃除や洗濯をこなすシラユキの後ろをずっとついて回った。
 最初こそ困った顔をしていた彼女も、そのうち慣れてしまったらしく、言葉さえ交わさなくなった。

 シラユキが廊下や空き部屋を掃除する間、わたしはずっと考え事をしていた。
 でも、自分が何を考えているのかよく分からなかった。

 それは不思議な感覚だ。自分は何を考えているのだろう? と気付けば考えている。
 その答えが分からなくなる。どうして分からなくなるのだ? 分からない。
  
 そしてふと思い出す。わたしは、自分が何を考えているのかを、考えているのだ。 
 そうした多重的な感覚に、気付けば溺れている。要するに何も考えていないだけだ。




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