94:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2013/05/23(木) 08:26:11.81 ID:eYA5xb04o
  
 ◇ 
  
  それからわたしたちは一緒にお風呂に入って、シラユキの部屋で一緒に眠った。 
  不思議と、穏やかな夜だった。雨の音がとても優しく聞こえるような。 
  
  外を見れば満天の星が見られるんじゃないかと思えた。月が煌々と夜の森を照らしているんじゃないかと。 
  でも、現実にはそうじゃなかった。雨粒が窓を叩いているうちは、空は雲に覆われているのだ。 
  
  けれど、わたしの傍にはシラユキがいたし、星が見えないこともさして悲しくはなかった。 
  シラユキさえ傍にいれば、どんなことが起きても平気な気がした。 
  
  それは本当だ。少なくとも、そう信じている。 
  でも、じゃあ、シラユキがいなくなったら、わたしはどうするんだろう。 
  シラユキがいなくなったら……。 
  
  その想像は、あまりうまくいかなかった。 
  わたしはなかなか寝付けず、すぐそばで静かな寝息を立てていたシラユキの手のひらに触れた。 
  
  
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