過去ログ - 少女「雨が止んだなら」
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95:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2013/05/23(木) 08:26:41.47 ID:eYA5xb04o

 手のひらの感触。
 わたしが触れた瞬間、彼女の指先がぴくりと動いた。
 でも、それだけだった。目を覚ますこともなかったし、握りかえしてくれることもなかった。

 わたしは瞼を閉じて、雨のことを考えた。
 それから今日の出来事を思い出して、シラユキのことを考えた。

 丘の下の街のことを考えて、屋敷の近くの森のことを考えた。
 そういえば森の奥には古い井戸があった。ひどくみすぼらしい井戸。
 でも、だからなんなんだろう。どうして今そんなことを考えたんだろう。

 ぼんやりとどうでもいいことを考えているうちに、わたしは眠ってしまっていた。



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