過去ログ - 【マジェプリ】もしもイズルが一週間いなかったら
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◆jZl6E5/9IU
[saga]
2013/06/16(日) 07:36:52.46 ID:iyF509dp0
「…俺たちも、恋だの好きだのって言われたってなぁ」
スルガが小さな声で呟く。
そうだ。彼らもまた、同じだった。
スルガだって、ナンパの先にあるモノを知らない。
彼が上手くやっているところなんて、見たこともなかったのだから。
「…イズル」
長い沈黙の末、アサギが胃を撫でながら顔を上げる。
彼は、至って真剣な顔でいた。
イズルの悩みも、気持ちも理解した上で、彼は告げた。
「それはお前の気持ちだから、悪いが、最後はお前が決めることだ」
それは、人によっては投げやりな少し冷たい言葉に聞こえたかもしれない。
もちろん、イズルは、アサギがそんな冷たい人間ではないことは知っている。
事実、ただな、とアサギは付け加えるように言った。
「俺は、どっちに転んでもお前とケイの味方だ」
「アサギ……」
常にチームのことに気を配り、年長者たる振る舞いでいようとする。
それが、アサギ。
チームラビッツの中で、頼れる兄貴分だ。
アサギはそれだけ言うと、スルガを促し、共に部屋を出て行った。
ありがとう、とその背にイズルは礼を告げた。
何も決まらなかったけれど、それでも、相談して良かったと思えた。
そうしてまた一人になった彼は、そのまま脱力したように床に寝転がった。
「……」
僕は。僕は――
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