過去ログ - 【マジェプリ】もしもイズルが一週間いなかったら
1- 20
544: ◆jZl6E5/9IU[saga]
2013/07/05(金) 00:35:23.42 ID:l6PNrR0W0





結論から言うと、『あの人』は実に不真面目で、めちゃくちゃな人物だった。
命令違反などの問題行動も多々見られているし、部隊内でも上下の関係を軽んじて、上層部からは顰蹙を買っているらしい。
それでも、彼が部隊のトップでいられる理由は、その優秀さにあるのだろう。
豊富な発想力。無謀と勇気を分けて実行する作戦遂行能力。危機的状況でも諦めずに仲間を皆助けようとする精神力。
次第に、私や他の新兵たちは、彼がリーダーとしては申し分ない人間であることを理解する。

『大尉。よろしいですか』

『おう。何でも聞けよ』

『大尉ー。食堂の新作カレーパンいかがですー?』

『お、すぐ行くぞ! 俺の分取っておけよ!』

『大尉、マジメに聞いていますか?』

『ああはいはい、お前もどうだ、カレーパン』

『…後でいただきます』

思い出せば、そんな会話しか出てこない。もちろん、戦いの記憶もあるけれど。
というより、戦場を駆けてきたのだから、そのような場面が印象深く残っていることは普通はないことのような気がする。
それなのにそういった日常のような声が聞こえてくるのは、きっと『あの人』のおかげに違いない。

そうやって、いつもいつも、ふざけながらも、仲間のために真剣に戦い、勝ってきた『あの人』。
私が彼に憧れてしまうのも、無理はなかった。
味方を信じ、引っ張り、生き延びてきた彼の力と精神を、私は尊敬していた。
少しでも彼のその強さを盗むために、必死に付いていった。


<<前のレス[*]次のレス[#]>>
993Res/501.88 KB
↑[8] 前[4] 次[6] 板[3] 1-[1] l20
このスレッドは過去ログ倉庫に格納されています。
もう書き込みできません。




VIPサービス増築中!
携帯うpろだ|隙間うpろだ
Powered By VIPservice