過去ログ - 【マジェプリ】もしもイズルが一週間いなかったら
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98: ◆jZl6E5/9IU[saga]
2013/05/26(日) 19:42:27.09 ID:cUmqdaKSO
おかしな点はまだあった。
これは何よりもおかしかった。
彼女の身体はガクガクと不自然に震え、また、その瞳から大粒の涙をこぼしていた。

「……い、ずる」

力の抜けたような発音でイズルを呼ぶと、彼女はふらふらとした足取りで近寄ってきた。
まるで、そう、ケイの身体から魂でも抜けて、彼女が人形にでもなってしまったかのような印象を受けた。
それを見て、イズルはようやくただ事ではない雰囲気を感じ取る。

「だ、大丈夫!? どうしたの!」

ケイが近くに来るよりも早く、イズルは彼女に駆け寄った。
そうしてイズルがケイの目前に迫ると、彼女はそのまま安堵したようにほぼ崩れる形でイズルの方に倒れ込む。
そうなると、自然と彼はケイを抱き止めるしかなかった。
ケイは特にそのことに何も言わない。
それどころか、いつもはイズルよりも高い位置にある顔を彼の胸板に押し付けてきた。
長く下ろした髪からする女の子特有のくすぐるような甘い香りと普段と違う様子のケイに、一瞬イズルは戸惑いを覚える。



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