10:お団子 ◆bZ4I4TB4eY
2013/05/22(水) 02:51:57.33 ID:PfMthyZw0
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勿論僕が夕暮誘の幸せなど知らない、
あれだけの大見えを切っておきながら恥ずかしい限りなのだが、彼女が今、幸せなのかどうかも分からない。
しかし僕からの目線で、僕から見て、彼女はよく笑うようになった。
にこやかに、健康的に、十一年前は思う事さえできなかっただろう。
正直な所、彼女と初めて食事をした時までは彼女に感情があるのかどうかさえも分からなかった所だ。
一年前、担当が変わった時に、彼女の笑顔を初めて見た、
年相応に笑う彼女を見て、
ああ、きっと彼女は、夕暮誘は幸せになる権利を手に入れる事が出来たのだろうと、
心の底から思う事が出来た、よかった、と。
しかし、これだけ言っておきながら、あの小説にも書いたことなのだが、
本当に彼女は不自由帳から解放されたのかというと、実の所少しばかり疑問が残るところである。
誘は、時に隠して時に惜しげも無く恥ずかしげも無く、不自由帳の通りの事をする、勿論僕が全ての内容を覚えている訳ではない。
十一年前の事なのだ、その辺はご了承願いたい、
勿論あの時の様に、普通の人はそうそう交通事故を目の当たりにはしないので、
ゲームをセーブしてから友人に駆け寄るなどという事を今するのかどうかは分からない。
分かりたくもないが。
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