過去ログ - 少女不満足
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14:お団子 ◆bZ4I4TB4eY
2013/05/22(水) 02:57:27.71 ID:PfMthyZw0



誘はゆっくりと、語りだした、それは、もう一度自分に聞かせるように、一つ一つを確かめるように。


言葉だけを頼りにかろうじて生きている少年と世界を支配する青い髪の天才少女の物語を。


妹を病的に溺愛する兄と物事の曖昧をどうしても許せない女子高生の物語を。


知恵と勇気だけで地球を救おうとする小学生と成長と成熟を夢見る魔法少女の物語を。


家族愛を重んじる殺人鬼と人殺しの魅力に惹きつけられるニット帽の物語を。


死にかけの化物を助けてしまった偽善者と彼を愛してしまった吸血鬼の物語を。


映画館に行くことを嫌う男と彼の十七番目の妹の物語を。


隔絶された島で育てられた感情のない大男と恨みや怒りでその身を焼かれた感情まみれの小娘の物語を。


挫折を知った格闘家と挫折を無視する格闘家の物語を。


意に反して売れてしまった流行作家と求職中の姪っ子の物語を。


奇妙に偏向した本読みと本屋に住む変わり者の物語を。


何をしても失敗ばかりの請負人とそんな彼女に好んで振り回される刑事の物語を。


意志だけになって生き続けるくのいちと彼女に見守られる頭領の物語を。


英雄と貶された少年と聞こえるものが聞こえない少女の物語を。


十年前のお話を、思い出したんです。と。

彼女は、懐かしむ様に、笑顔で僕に向かって、

「幸せに、なってみてもいいのかなって、思ったんです」

幸せ、僕には一体何が彼女の幸せになるかが分からない。

それでも、彼女は自分で自分の道を、普通の道には乗れなくとも、歩めなくとも、自分の道を歩んでいた。


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