過去ログ - 魔法使い「勇者がどうして『雷』を使えるか、知ってる?」
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115: ◆1UOAiS.xYWtC[saga]
2013/05/29(水) 00:44:25.83 ID:UJohCDjpo
男「…………君ね。嘘はやめようよ。いくらご両親の所に帰りたくないからって……」

淫魔「だから違うって言ってるでしょ!? そういう事じゃなくて!」

男「……どういう事なんだい?」

淫魔「私はサキュバスで! あなたのせーえきを貰いに来たんですってば!」

男「…………ふむ」

淫魔「やっと分かってくれました?」

男「分かった、ちょっとそこで待っててくれ。すぐに戻る」

淫魔「え? ……はい」

一度扉を閉め、居間の戸棚の中を漁る。
そこにしまわれていた物を手探りで手近なバスケットに入れて、上から布をかぶせて玄関へ戻る。
ようやく扉を開けると、言いつけどおりに少女は待っていて、期待に目を輝かせていた。

男「……はい、これ」

淫魔「?」

男「確か、万聖節はもう過ぎたと思ったんだけどなぁ。フツーの焼き菓子だけど、あげるよ」

淫魔「わーい! いいんですかー!?」

男「ああ、勿論だよ。……それじゃ、気をつけて帰るんだよ」

少女が喜んでくれた事に頬をゆるめ、軽く頭を撫でる。
指先に触れた『角』は不思議と暖かく、まるで、本物の角のように硬かった。
日だまりの猫のように目を閉じる姿は、何とも言えない愛くるしさがある。

別れを告げてドアを閉めて鍵を下ろし、ベッドに戻ってから。
――――再び、猛烈な勢いでドアが叩かれた。


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