過去ログ - 魔法使い「勇者がどうして『雷』を使えるか、知ってる?」
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174: ◆1UOAiS.xYWtC[saga]
2013/06/01(土) 23:44:31.51 ID:+j7WNh9Vo
二人で見て回る世界は美しく、秋が終われば冬が来た。

白い息を吐きながら歩いていると、鼻先に冷たさを感じて空を見る。
灰色の雲から、『白』が抽出されて降り注いでいた。

淫魔「わ〜……ようやく、雪が降ったんですねぇ」

彼女は、掌に舞い落ちた六花を受け止め、溶けるのを見て言った。
それを真似るように騎士もちらちらと降る雪を受けると、新たな皮膚が張った掌に、すぅっと沁みた。

騎士「ようやく?」

淫魔「はい〜。だって、騎士さんと一緒にいると、時間が長いんですよね〜」

騎士「早く過ぎ去って欲しい、とでも?」

淫魔「いえ、違いますよ〜、逆です、逆」

珍しく慌てて取り繕うような口調で、彼女は皮肉めいた問いかけに返した。
ほんの少しだけ、寒さのせいか、真っ白な頬に赤みが差す。

淫魔「もっと長くなってくれたらいいなぁ〜、って感じ……です」

彼女の声には、若干の照れが聞き取れた。
『淫魔』の、夜の魔族の舌とは思えない程にたどたどしく、もつれかけていた。
騎士も、どこか気恥ずかしくなり――――足を速めながら、返答する。

騎士「……さっさと進め、次の村はすぐだ。ベッドで眠りたいのなら歩け」



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