過去ログ - モバP「大好きだから、――くれ」
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53: ◆IRWVB8Juyg[saga]
2013/06/29(土) 19:53:18.77 ID:Kzr9Y6GWo
「まぁ、なんでもいいです。ところでプロデューサーさん、暇になっちゃいましたね」
しばらくあれこれ考えていた様子だったが、ふぅと大きく息を吐いて幸子がこちらへ近づいてくる。
これは「いつもの」の合図だろう。最後になるのだからせめて……いや、断るべきだ。
そう思って口を開きかけたとき、いつもよりも近くまで来ていた幸子が止まる。
普段ならこちらへ背を向けて、何も言わずに少しだけうつむく距離だ。
なのに今はこちらを向いたまま、じっと俺のことを見つめている。
いったいどういうことだろう? 疑問に思ってしまい、出かけていた言葉を飲み込んだ。
幸子はまったく読めない表情のままこちらへと手を伸ばす。
両手を俺の顔のところへやって、他へ視線が移らないようロックされてしまった。
「プロデューサーさん。今日は前から巻いてみませんか?」
どうしてそんな提案をするのかわからない。
だけどその瞳は真剣で、真面目なトーンだ。
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