過去ログ - モバP「大好きだから、――くれ」
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54: ◆IRWVB8Juyg[saga]
2013/06/29(土) 20:03:02.76 ID:Kzr9Y6GWo
それを受けて俺の口から出たのは、どうして、ではなくて本当にいいのか、なんて言葉だった。
幸子はなにも言わずに、少し微笑んでみせた。
……やはり可愛い。
頬に触れる手は柔らかくて温かで、俺の体の中へ何かを送ってくれているようだ。
その熱で自分の中の何かが溶け出しているのがわかる。
ドロドロと、俺の中で渦巻くものが熱を帯びていく。
「……さぁ、どうぞ。プロデューサーさん」
幸子が頬に触れていた手を放して、静かにおろした。
普段のようにうつむくことはなく、こちらをまっすぐとした瞳が見つめている。
幸子から伝わる熱が消えたのに、自分の中で生まれてしまった炎が消えない。
ごおごおと、風の音が耳元で鳴っているような気がする。
俺の手にはもう首輪が握られていた。
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