過去ログ - 恵美「もしも魔王の正体に気づかなかったら」
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30:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]
2013/05/24(金) 17:20:57.67 ID:raX+wY0oo
千穂「真奥さんは……」

恵美「少なくとも私達のそばにはいないわ」

それが目下「二番目に」心配な事柄だった。
一番心配な事柄に対処するため、千穂ちゃんの額に手を伸ばす。

恵美「ごめんね、少しだけ眠ってて」

聖法気を使い、彼女を眠らせる。
彼女を、これから起きるかもしれない事態の目撃者にするわけにはいかなかった。
もうこれ以上、私のせいで巻き込まれる日本人を増やすのはごめんだった。

恵美「さて、と……」

事態は異常だった。
地下街の崩落、これは敵、悪魔の仕業と考えていいだろう。
だが理屈に合わないのは自分達の現状だ。
辺りにいくつもの魔翌力結界の存在を感じられる。
おそらく崩落に巻き込まれた人間達を覆っているのだろう。
私と千穂ちゃんが不自然に開けた都合の良い空間にいるのも、魔翌力結界に守られているせいだ。
魔翌力を使うのは悪魔。つまり今この場で、「悪魔が人間を守っている」。
私の常識に照らしあわせて、やはり異常としか言えない。

恵美(職場で通信してきた悪魔は、魔王と勇者を滅ぼすと言った)

恵美(だとしたらこれは悪魔の中の内紛の結果……? いえ、そうだとしても悪魔が人間を守る意味が無い)

恵美(考えても答えは出ない。問題は今、この結界を作っている悪魔がその辺にいるはずということ)

恵美(そして、貞夫がどこかにいるはずということ。魔翌力結界に守られていればいいけど……)

瓦礫に潰された貞夫の姿を想像しかけて、頭を振る。
そのとき、瓦礫が落ちる音と共に、……魔翌力が近づいてきた。


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