過去ログ - 恵美「もしも魔王の正体に気づかなかったら」
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[sage]
2013/05/24(金) 17:25:13.71 ID:raX+wY0oo
真奥「わざわざ来てもらって悪いな。どうぞ上がって」
恵美「ええ」
翌日、私は再びヴィラ・ローザ笹塚の201号室……貞夫の部屋を訪れていた。
メールで、先日借りた千円を返したいが今日は在宅かと聞いてみたところ、
夕方まで空いてます! お待ちしてます! お陰で白米が食えます!
……といった内容の返信が来て、改めて彼が魔王なのか若干疑問に思いつつも出発したのだ。
ちなみに階段ではまた転びかけた。呪いでもかかっているのだろうか、あの階段は。
芦屋「どうぞ、麦茶です」
恵美「どうも……って芦屋さん、なんですそのクマ」
アルシエル――芦屋は明らかに寝不足で、目の下にクマができていた。
真奥「あー……昨日の崩落で何もできなかったって朝方まで泣き叫んでた」
芦屋「ですから魔王様、どうか私に罰を……」
真奥「いいっちゅうに」
私に正体がバレたことを彼も承知なのだろう、
芦屋は先日と違い貞夫のことを真奥ではなく魔王様と呼んでいた。
恵美「……芦屋さんも悪魔なんですよね?」
芦屋「ええ。魔王様の悪魔大元帥四天王が一人、アルシエルと申します」
至極真面目な顔でそう名乗る、エプロンの似合うクマが出来た悪魔大元帥。
その仇敵の姿に、何だか色々なものが馬鹿らしくなってくる。
出された麦茶も、警戒するのも面倒で普通に飲んだ。普通に麦茶だった。
恵美「……とりあえず、これ、借りてたお金。どうもありがとう」
真奥「おお! こりゃご丁寧にどうも」
一応ピン札を封筒に入れたものを渡すと、歓喜の表情で受け取る貞夫。
さて、ここからが本番だ。
恵美「それで……昨日のこととか、色々含めて、貞夫に話があるの。……いいかしら?」
怒りや殺意は込めない。だが誤魔化しもされない、その意思を表情に込める。
貞夫も真顔になった。
真奥「……芦屋、早速この金で食料買い込んで来い」
芦屋「はっ。お任せを」
即座にエコバッグを手にして部屋を出る芦屋。
彼が階段を降りる音が聞こえなくなってから、私は話し始めた。
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