過去ログ - 台風がとどまり続ける市を舞台にシェアワやろうぜ
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31:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2013/05/26(日) 20:00:00.18 ID:Fs7kZST4o

 中津照市市長島原信也。五十六歳。
 彼は今日も恰幅いい身体を上等のスーツに包み、市役所最奥の玉座に身をうずめていた。
 短く刈りこんだ頭には白髪が多分に混じり、角ばった顔にはそれにふさわしい高い鼻がにょっきりと特徴的に突き出ている。

 目つきは鋭く、周りを威圧する容貌だが決して粗暴な性格ではない。
 猫はちょっかいを出さなければ攻撃はしてこない、それと同程度には温厚だ。
 少なくともそれが彼自身の自分評だった。

 ただ、もし周りの評が違っていたとしても興味はない。
 知ることはほとんど不可能だし、知ったところで何かを変える気もないからだ。
 自分を変えることなど馬鹿馬鹿しい。他人が勝手に変わればいい。

 品のよい調度品が並ぶ部屋で、彼は煙草に火をつけた。
 窓を見ると、夕焼けが空を染めているのが見えた。
 今日やるべき雑務は、と彼は思い出す。ほとんど全て片付いていたはず。
 抜かりがある可能性は考えなかった。手落ちは馬鹿のすることだ。自分は馬鹿か? 答えはノー。



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