過去ログ - 洋榎「次鋒戦と副将戦が無くなるんやて」
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909:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2013/12/04(水) 00:06:16.32 ID:eSMZoMero
絹恵「お願いやお姉ちゃん……もう……漫ちゃんに酷い事しないで……」


震えながら鋏を持ち、左手薬指に刃を当てる絹恵。
絹恵の言葉を聞き、洋榎の動きが一時的に止まった。


洋榎「…………」


しかし、完全には信用していないのか、
洋榎はその発言の真意を確かめるべく、
鋭い目付きで絹恵の様子を窺っている。


お前がすぐに指を切らなければ、また漫の顔面を殴ってやるからな


そんな脅しを掛けているかの様な、無言の圧力を放つ洋榎の冷たい視線。
ハッタリなどではない、今の姉なら誰であろうと容赦無く暴力行為に及ぶだろう。

例えそれが動けぬほど酷い怪我を負い横たわっている、仲の良かった後輩でさえも。


絹恵「…………っ」


洋榎「どうした絹……切らんのか……?」


洋榎は拳を握り締め、それをワザと絹恵に見せ付けた。
お前の所為で漫が傷付くんやぞ、そう言わんばかりに。


お前が素直に従っていれば、漫がこんなに痛い思いをする事は無かった


罪悪感を煽る精神攻撃、責任感が強く心根の優しい絹恵には効果が抜群だった。


絹恵(私の所為で……漫ちゃんが傷付いた……)

絹恵(私が……私が漫ちゃんをあんな目に遭わせた……)


絹恵「うぅ……あ゛あ゛ぁ゛ぁ゛ぁ゛っ っ っ ! ! ! ! 」


ザクッ……


絹恵は大声で叫びながら、いつかは婚姻の印を付けるであろうその指を切り落とした。
鋏を持ったままその場に蹲る絹恵、低い呻き声を出しながら、その痛みに堪えている。

大切な親友を想い、その痛みを受け入れる決意をした絹恵と漫。
2人を結ぶ強い絆が、臆病な絹恵の心をも奮い起こさせたのだ。


洋榎「お前が指を切りさえすれば、うちはそれだけで満足や……」


絹恵の2本目の指切りを確認し、洋榎は立ち上がって漫から少し距離を取る。
しかし、漫も絹恵も激痛でその場を一歩も動けず、互いに歩み寄る事は無かった。


郁乃(指切りを止めさせよう思って洋榎ちゃんに立ち向かった漫ちゃん……)

郁乃(けど逆にそれが絹恵ちゃんを精神的に追い詰め、2本目の指を切らせた……)

郁乃(結果的に漫ちゃんの行動は洋榎ちゃんにとってプラスに働いたな……)

郁乃(逆境をも味方に付ける悪運≠フ強さ……全く恐れ入る……っ!)


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愛宕 絹恵:2  ピッ
真瀬 由子:1
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